2016年6月29日水曜日

祖母と(たちのみ)


あるとき祖母が「にいちゃんさぁ、長刀を持ってみなよう」と言ったので「あいよ」と答えて構えると、持っていた細い竹か何かですうっと退けられた。
足はおろか腰までよろよろした。
...
そして「にいちゃんがこれからもずうっと武道をやってれば、何時かは判ることだけど、やっているうちに躰の真ん中が剣みたいになってくるんだよう。足から腰から、こう、すーっと、さあ。それで人をやっつけるんだよ。何人掛かってきてもこれがあれば大丈夫なんだよ。」と。

え??それってギロンみたいな感じ??

とか思ったりしましたが、黙って聞いていました(笑)

まあさっぱり訳が分からないが、そういうことをよく言う人でもあり・・・それでもなんだか大切なことのような気がして大事にとっておいた話です。

そういっているうちに『独占女の60分』が始まったので「泉アキは面白いよねー」とか言いながら二人でテレビの前で素麺かなんかを食べました。

ここ数年、姜氏門の錬躰が身に着いてきたところに、村上勝美先生や順心斎老師といった不世出の名人たちの薫陶を戴いて、祖母の言っていた言葉、やっていた不思議なことがいろいろ甦り、ひょっとしてこういうことだったのか・・・という発見が頻繁に起こってまいりました。これは大変刺激的なことでした。
曰く、浮御堂。曰く、躰轉。曰く、猿渡。曰く轉坐・抜跳・・・ そうしてこの「太刀之身」。
(注:立ち飲みではありませんよ。好きですが:笑)

こういった思い出は、ほかにもいろいろありましたが、時期を見て、徐々に開けてくるモノなのだと思って、人ごとのように楽しみに見ております。  


いまこの体術を、先師たちに頂いた型と融合させて八つの基本形と整備しつつあります。
その根本は八つの太刀筋に込められた、八つの身法。

立・礼・蹲・揺・旋・轉・開・合です。

祖母より、神棚の前での礼拝作法が、躰術や人間同士の関係性など、すべての根本だと伺っておりますので、それに準じた構成になっております。

そこから体捌きや折敷き、蹲踞などが導入され、両手を束ねては離し、離しては束ねる稽古で陰陽進退開合などを学べるようになっています。

こうなると学ぶ方もがぜん学びやすいし、哲理があれば単なる運動ではなく躰術となってきます。
実現させたい夢だった«ご当地体育»「甲陽吾妻流★忍体操」の基本来たということになります(*'ω'*)

武扇の基本も、この躰動に扇を持たせたものなので、やはりこの範疇での躰術表現になります。

護身にも、身体開発にも、そして礼法や舞踊などにも応用が利き、さらにそれらを深めてくれるトランスファクターとしてのひとつの様式として、定着してくれればいいなあと思っております。

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