2015年7月31日金曜日

吾妻流忍者スクール開校の巻★

前にも書きましたが、私の家が上州は吾妻の地侍、吾妻衆でも中心的な家柄だったようで、昔からみんな何かしら武術をやっておりまして、小学校も中ごろになってはじめて武術をやっていない家があるということをしった次第です。
最近、我が遠祖、伊与久弾正公の足跡をたどって、やっぱり祖母や祖父のやっていた体術や手裏剣は故なきことではなかったんだ、と得心いたしまして、どうせなら縁のある子供たちを集めて、本格的な忍者ごっこ、というか忍者体験をさせてしまおう!と開き直ることにいたしました。
フェイスブックでつぶやいたことがきっかけで、今回4名のお子さんたちが『吾妻流忍者スクール(仮)』を2泊3日で受講してみよう、という運びになりました。
縁とは本当に思いがけない不思議なことを運んできてくれます。
今回の体験は、子供たちもさることながら、私にとっても大きなチャレンジになりました。

(忍者合宿:一日目)

好天に恵まれて、先程『吾妻流忍術スクール』一人の脱落者もなく終了しました!四人を駅まで見送り、後片付けしているうちに篠つく雨&雷が…彼らは超絶晴れ体質でした
参加者は、はるばるアメリカから参陣の兄弟、これからアメリカに旅立つ男の子、そして五歳のやんちゃ坊主の総勢四人!全く…賑やかでした!
...
これでもか!と言うほどイベントいっぱい夢いっぱい詰め込んだ初めての試み、みんなの心に楽しい冒険として残ったら嬉しい。
その怒涛の修行の模様を参考までに書き出してみると、
初日、午後開講式、真利支天様に武運長久と合宿の安全、仲間との団結を祈り、吾妻流由来と忍者武術のレクチャー。ついでに私の忍者道具コレクションもご披露。
初めて触るマキビシや手裏剣に皆大興奮!
続いて礼法からの体術、特に体さばきは頭に手裏剣を載せてのバランス訓練も加味され、みんな苦戦していました(笑)
お次は庭に出て、丸太渡りから登板の稽古。はじめはオッカナびっくり、でも段々なれてきてチビッ子があっという間に板の最上段でポーズ(^O^)
そしてお楽しみの温泉、の前に湧き水で喉を潤し、先日発見したカブトムシの樹にて虫採り。初めて触る甲虫に大興奮のアメリカン・ボーイズです!
出で湯は標高1200メートルのかけ流し。フオッサマグナのパワーを十二分にチャージしました!
夜はウェルカム・パーティー
師匠(私)お手製の百パーセントベジタリアン中華のフル・コース?(笑)
全て高原野菜の十品目は仕込みから半日以上掛かりましたが皆沢山食べてくれたのでシェフはハッピーでしたよ♪
でもローソクの明かりだけで、一体なに食べているのかな…って思う子もいたでしょうね。
あと虫刺されには悩まされました。今後改善の余地ありかな。
そしてゲストでご近所の妖精版画家の太田二郎さんをお迎えしての怪談会。すぐそばの神社にまつわる不思議なお話に子供たちは静かになっていました(*_*)
それと、とっても不思議な体験!もしたんですよ☆赤い光球が空からその神社の方に落ちてゆくのを数人が目撃( ゚Д゚)!ちょうど龍の赤い目の話をしていたところだったので2倍ビックリ!
大人がまったりワインで怪談している傍ら、子供は師匠と花火三昧!俺的に生涯で一番花火をやったかも!水平に連撃花火をしちゃいけない教訓、わかったかな!?☞俺(*_*;
そんなモリモリと盛上って時計を見れば、もう10時近く!
五歳の僕は『もう眠くて死にそう~!』
よく頑張りました。明日は朝六時から始まるからね!
皆よく寝てねお休み。



(忍者合宿2日目)

朝は6時に布団を畳み、神前に集合!いささか眠そうなメンバー。
まずは丹田呼吸をしながら黙想。
静かになることは忍者への第一歩。
いつもいろいろ考えちゃう心を、外の音に耳を傾けることで収めます。...
遠くの車の音、鳥の鳴き声、風のそよぎ、時計の秒針・・・自分の心臓の鼓動まで聞こえたかな?

6時半にアシスタントのナッシー先生が車で迎えに。子供たちは先生のジムニーで、蓮の花咲く高原の池塘、井戸尻遺跡へ。
ここでも綺麗な「不動の清水」にてお水取り。
さらに昨日の怪談に出てきた池尾明神へお参り・・・ありましたよ!伝説の藤の大木が(*'▽')・・・そのあと中央線の廃線に、打ち捨てられた「お化け電車」と、トンネル探検!トンネルでは蝙蝠君もお出迎えくださいました。
帰ってきたらたっぷりの朝食。お腹すきすき~!という子供たち、食べる食べる!
納豆、味噌汁、昨日の中華、南瓜の煮つけ、こんにゃくの焼き肉風、お漬物・・・おなか一杯の後は大休止。今日も暑くなりそう。
10時からお昼までは模擬刀での抜刀、納刀。礼をして、半座からの抜き打ち、横一文字、斜抜刀、縦の抜刀・・・おっかなびっくりでしたが、要領を得てすらりと抜けるようになるまで稽古してみてね!
それと、特筆すべきは『岩櫃城忍びの乱』の斉藤貴史さんがはるばる吾妻から車で、今日のために駆けつけて下さったこと!!なんと、それも忍者衣装を持参して下さり、子供たちの興奮はマックスに!
後日みんなの忍び装束もアップしますが、なかなか味わえない体験を、斉藤さん本当に有難うございました!!
やはり吾妻忍者の結束は強い!!
あっと今にお昼。お昼から3時まではどうぞご自由に。
みんなはナッシー先生と近くのアウトレットへ行ったみたい。
午後は猛暑・・・暑さと慣れない環境のせいか、一人の子がちょっとダウン…ごめんね、ここは夏でもクーラーはないんだ。少し休んでいてね。
あとの3人はお楽しみのスイカ限!の準備+カエルとり☆
先生を手伝ってスイカにひもを通して竹竿に吊るします。先生の試斬でスイカは真っ二つ!それをカブトムシさながらに手づかみで頬張る子供たち。戦国時代の日本の夏って、こんなだったのかも!?
さて、準備万端整って、模擬等2本でのスイカ斬り、いざ、はじめ~!!
横一文字、袈裟、逆袈裟・・・自分の足を切らないように!
みんな見事西瓜を両断して、美味しく頂いちゃいました。それにしてもなんか様になってるっていうか…やっぱり日本人の血が滾っちゃうのかもね!
そのあとは、少し涼しくなって元気が出てきたKくんも一緒に藏探検!
懐中電灯を手に、箱階段を一歩一歩・・・やっぱり蔵は真っ暗!なんちゃって・・・|д゚)実はここ、将来本物の忍者屋敷に改造する予定なのでした!お楽しみに!
あっという間に夕方!今日も温泉ですよ!・・・その前に、やっぱりカブトの木に行って、泉で水を飲んできちゃうのです(^^♪←主に先生が行きたがっていたのですが(笑)
二日目の夜は、焼きそば&カレー!黄金の子供メニューです!
大人は甲州ワインを開けて楽しみました。
さて、今回の合宿のメインイベント、向こうに見える真っ暗くらの「森山」山頂にある七面大明神様の祠まで、先生と子供たちだけで夜の修行です。
山のふもとにある大田先生のお宅まで行くと、玄関まで出迎えてくださった大田先生から「お守り」のプレゼント。これで山の妖怪もみんなを通してくれることでしょう。
山はなだらかとはいえ真っ暗なうえ、昔の参道がとぎれとぎれに着いているだけ。
シカやイノシシ、お化けや妖怪に遠慮しいしい行燈と懐中電灯で進みます。
おっかなびっくり、やっと着いた山頂で、女神さまの声は聞けたかな?
一度は谷へ下りる道に迷いそうになりながらも、お母さんたちの待つ麓へ無事着けましたよ!みんなの勇気に拍手!
そのあと村を救った即身仏、孫八様の入定塚あとまで探検して、今日の行程は終了です。
緊張からの解放感と疲れで、初日とは打って変わって、みんなバタンキュー!だったみたいですよ。イイ夢見ろよ!!


 

  (忍者合宿3日目)

 子どもたちの体力も考えて、スタートは少し遅めの6時45分。
神拝、瞑想してご挨拶のあと、2台の車は日本名水百選にも選ばれた大瀧神社湧水へ。...
ご神前に額づけば、横からどうどうと流れる豊かな水の音が聞こえます。
「この水、きのう飲んだ水と違う!」
よく気が付きました!こっちはどちらかと言えば硬質な、鉄やミネラルが豊富な水ですね。流れの底の小石にも鉄の沈着が見られるよね。お主、やるな!

Mくんがでっかい蟻にかまれたり、田んぼの緑が映って幻想的に輝くトンネルを歩いたり、蝶の心臓の鼓動を感じてみたり・・・でも、お腹すいた~!!
今日も朝から旺盛な食欲を見せるキッズたち。パンとカレーライスとスープ・・・先生も負けじとお代わりしちゃいましたよ!
いよいよ最終のタームに来ましたよ。
前半は躰轉。丁寧に、怪我の無いようにしながら動くのも修業の一つ。
だってお稽古で怪我って、本末転倒ですもんね☆
それにしたって子どもたちの呑み込みの早さよ!
なんでああやってお辞儀をするの?もしこういう姿勢だったら何が危険なの?
有んな意味が、日本人の古い礼儀作法には隠されていたんだね!それはそれは厳しいものだった。だからこそきりっと締まった気持ちいい動きに見えるんだよね。
そんでもって折り敷き、正座、跳ね起き、崩れ伏せ、躰轉、流れ伏せ・・・実際安全な棒で打って、それを避けさせたんだけど、全員が合格!
意味も理解して、素直に身体が動いていました。正直期待よりずーっとよく出来でしたよ、みんな!!
休み時間も5歳のMくんのやんちゃに付き合ってくれる優しいお兄ちゃん達、それでいてちょっとした時間を使って弾正流の手裏剣の基本、弧月を研究する最年長のKPくん、だんだん命中するようになってきたぞ!これは将来の逸材か!?
そして拳腿法。ストレッチなしでハイキックをさせて、KUくんがちょっと腿の裏を痛くしてしまった…これは本当に指導者が銘記すべき反省点でした…
でも、そのあとの柔術ではニコニコ顔で参戦!ほっとしたと同時に彼のチャレンジ精神が嬉しかった。頑張るね!
柔術は手ほどきからの肘の詰め、纏腕などを少し。I兄弟は、アメリカでも一緒に稽古できるから良いよね。でもくれぐれも真剣に、安全に稽古するんだよ。君たちの関節はまだまだ柔らかい。肘膝が壊れたら一生の後悔だぜ!
オーラスは棒術・・・実は最後のイベントへの伏線だったんだけど、ここでは「構えの型」と「素振り」を稽古。
市川に通ってきているRくんは棒ならお手の物。好きこそものの…で、慣れた手つきで上手に長物を扱っています。
正眼、下段、上段、下八相、上八相、天地・・・6つの構えを交互に稽古。
そして打ち込みも併せての順手正面打ち。・・・これにて終了!!
お昼は名物八ヶ岳の蕎麦を食べに行って、帰ってきたら最後の関門・・・
・・・そう、巨大西瓜割り!しかも棒術で!!ゲームです☆
まあ、3日の間に友情が芽生えたのでしょうか、「もっと右」「いやいやストップ!」・・・先生の忍法ミスリード!?にも「それは嘘だよ!」とか言って一人目からみんなが西瓜に亀裂を加え、最後のお兄ちゃんが見事!仕留めました!!
八ヶ岳の青空の下、滴る西瓜の甘かったこと・・・
終了証の授与式も終えて、長いようで短かった吾妻忍者の里でのひと時が終了したのでした・・・みんな、また来年も会えるかな?それまで稽古に、勉強に、遊びに、忍者の心で頑張るんだよ!
忍びとは 人に斬られず 人切らず 刃の下に 置く心哉
それでは、さらば!ドロン・・・!!


 

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