2015年10月10日土曜日

万波(よろずなみ)ひねもす揺らす小舟哉

最近内功武術教室と太極拳教室で万波揺舟をしつこくしつこくやっている。

掤と捋は、私の所の理屈では表裏である。どちらも縦の回転に左右の変化を合わせて合成している。擠按も、同様に同一のシリーズで稽古できる概念だとされている。ちなみにこれは横。
開合を含ませて回櫓推船の中で習得する。これは鄒師父が初来日した講習会で、はじめて公開された功法だった。


目線と、ちょっとした首の筋肉の作用が足の裏にまで作用して、大きな波を表現できるようになる様は、ちょっとしたダンスのようで、やっていてとても心地が良い。

これと神亀攪水、仙鶴展翅、青龍出水、老虎洗瞼、飛燕帰巣、天王托塔、十字開合などの所謂「順勢功法」を精錬すると、我が門独特の、素朴だが威力のある拳風が出来てくる。

逆に、これらが十分に表現できていないと言う事は、その練習者のキャリアが長くても、当門の要求を満たしていないということとなり、招式を多分に含む套路の稽古をしても、順勢をマスターしている稽古生と比べると実りは多くなり得ない、という厳しい現実と向き合わなくてはならなくなる。
順勢功法は、腰の強い生地を練るためのプラクティスなのだと思う。


出来ないことすら楽しみながら、一日のうち、たとえ僅かでもいいから順勢を打ち出すことに時間を費やしてほしいのだ。

工夫を苦労と思わず、水脈をつなげることのできた者だけが、先師の顕した技の真味を知ることが出来る。このくっきりスッキリ切れがある様子は、僕にとっては「南アルプス天然水」よりも清冽で美味しい「透明な味」なのです(*'▽')_U

0 件のコメント:

コメントを投稿